「フィルタープレス脱水機のメリット・デメリットは何?」
「フィルタープレス脱水機はどんな仕組み?」
汚泥脱水機には、遠心脱水機やスクリュープレス脱水機、多重円板脱水機など多くの種類があります。その中のひとつがフィルタープレス脱水機です。
フィルタープレス脱水機とは、汚泥をろ過室に詰め込み加圧して脱水する機械のことを指します。では、フィルタープレス脱水機は他の脱水機と比べて、どんなメリット・デメリットがあるのか気になる方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、フィルタープレス脱水機について解説します。仕組みやメリット・デメリットについても解説するため、ぜひ参考にしてください。
フィルタープレス脱水機とは
フィルタープレス脱水機とは、汚泥を限られた空間に加圧して詰め込むことで脱水する機械です。汚泥を加圧して送り続けることで脱水するタイプと、ろ過室内のダイヤフラムを利用して脱水するタイプがあります。
汚泥を加圧して送り続けるタイプは、脱水機内にろ布を張った2枚の鋼板またはプラスチックの板で仕切られたろ過室がいくつか並んでいます。ろ板全体を油圧で締め付けた状態で汚泥を圧入し、全ろ過室に汚泥が充満した後も加圧して詰め続けることで脱水するという仕組みです。
ろ過室内のダイヤフラムを利用して脱水するタイプは、ろ過室が汚泥で満たされた後、さらに汚泥を押し込むという工程がありません。ダイヤフラム内に高圧の空気や水、油などを圧入して膨らませることで、汚泥の両側から圧搾力を加えて脱水する仕組みになります。
汚泥を強い力で押し込み、圧力を加えることで搾るように水を除去するのがフィルタープレス脱水機です。
フィルタープレス脱水機のメリット
フィルタープレス脱水機のメリットは、以下の2つが挙げられます。
- 機械の構造がシンプル
- 脱水ケーキの含水率を下げられる
フィルタープレス脱水機は、固液分離特性が高いため、他の脱水機よりも脱水ケーキの含水率低下を実現できます。脱水ケーキの含水率は、2、3%低下させることで年間200万円ほどのコストを削減することも可能です。
含水率を低下させられることは大きなメリットと言えるでしょう。また、製造ラインに組み込めるため、ろ過脱水装置としても多く利用されています。
フィルタープレス脱水機のデメリット
フィルタープレス脱水機のデメリットは、以下の2つが挙げられます。
- ろ布の素材を使い分ける必要がある
- 汚泥が液漏れすることがある
フィルタープレス脱水機は汚泥の種類や性状によって、ろ布の素材を使い分けるという手間がかかります。また、ろ布の目詰まりや汚泥の固形分が多い時などには、汚泥が液漏れすることがあるため注意しましょう。
フィルタープレス脱水機は多くの場合、下水処理場やコンクリート工場など、大規模施設で導入される傾向にあります。
フィルタープレス脱水機を導入する際のポイント
ここからは、フィルタープレス脱水機を導入する際のポイントを解説していきます。ポイントは以下の3つです。
それぞれ以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
デモテストを利用する
1つ目のポイントは、デモテストを利用することです。汚泥脱水機メーカーの中には、製品の導入前に、自社の脱水機が導入先の汚泥に適しているかデモテストを実施しているところがあります。
デモテストは、導入後に製品と汚泥が合わなかったというミスマッチをなくせる効果的な方法です。汚泥脱水機は数百万〜数千万という費用がかかるため、デモテストを実施している場合は積極的に利用するようにしましょう。
また、会社によっては、レンタルサービスを用意しているところもあります。レンタルサービスは利用条件などがあるため、事前にサービス内容を確認しておきましょう。
アフターサポートの内容を確認する
2つ目のポイントは、アフターサポートの内容を確認することです。汚泥脱水機は目詰まりしないセルフクリーニング機構を備えており、日常のメンテナンスが簡単な製品が多い傾向にあります。
しかし、急なトラブルが起こらないわけではありません。汚泥は日々発生するもののため、使えなくなれば業務に支障が出てしまいます。
そのため、迅速に対応してもらうためにも、依頼先がどのようなアフターサポートを用意しているか確認することが重要です。
複数の会社を比較する
3つ目のポイントは、複数の会社を比較することです。同じフィルタープレス脱水機を扱っている会社でも、製品の性能は異なります。
得意としている汚泥の種類や性状など製品によって様々なため、必ず複数社の製品を比較した上で導入する製品を決めましょう。導入後に後悔しないために、少なくても3社以上は比較することが重要です。
比較の際には、上記でも述べたようにデモテストを利用したり、アフターサポートの内容をみておくと良いでしょう。
おすすめの汚泥脱水機メーカー3選
本記事の最後には、おすすめの汚泥脱水機メーカー3選を紹介します。今回紹介するのは、以下の3社です。
それぞれの会社の特徴や汚泥脱水機について解説するため、ぜひ参考にしてください。
アムコン株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | アムコン株式会社 |
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新羽町1926 |
設立年月日 | 1974年11月 |
公式サイト | https://www.amcon.co.jp/ |
1つ目におすすめの会社は、アムコン株式会社です。アムコン株式会社は約50年の歴史を持ち、汚泥処理関連装置を扱っています。
独自の汚泥脱水機を生み出した日本初の企業として有名であり、高い技術力と開発力を有していることが特徴です。アムコン株式会社では、日本生まれの汚泥脱水機『ヴァルートデュオ™/ヴァルート™』を用意しています。
汚泥脱水機の実機テストやレンタルも行っており、購入前にアムコンの製品が導入先に適しているかを判断可能です。興味のある方は気軽に問い合わせてみましょう。
積水アクアシステム株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 積水アクアシステム株式会社 |
所在地 | 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番30号 梅田スカイビルタワーウエスト21階 |
設立年月日 | 昭和39年3月 |
公式サイト | https://www.sekisuia.co.jp/ |
2つ目におすすめの会社は、積水アクアシステム株式会社です。積水アクアシステム株式会社は約60年の歴史を持ち、排水処理装置等の製作・販売・工事などの幅広い事業を展開しています。
積水化学グループの一員であり、60年で培った豊富な実績を誇っている会社です。積水アクアシステム株式会社では、ベルトプレスや一枚ろ布、スクリュープレス脱水機を扱っています。
日本だけでなく、オランダやタイなど、海外でも実績があるため安心して依頼可能です。興味のある方は気軽に問い合わせてみましょう。
株式会社ヘリオス
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社ヘリオス |
所在地 | 東京都品川区北品川3-6-9 Ubiz品川 |
設立年月日 | 1982年2月 |
公式サイト | https://www.kk-helios.co.jp/ |
3つ目におすすめの会社は、株式会社ヘリオスです。株式会社ヘリオスは約40年の歴史を持ち、汚泥脱水機を専門に扱っています。
脱水機の製造・販売だけに捉われず、脱水処理周辺の解析も行い、総合的なコスト削減策を提案していることが特徴のひとつです。株式会社ヘリオスでは、高性能な多重円板型脱水機を扱っています。
株式会社ヘリオスの高性能な汚泥脱水機を利用することで、汚泥処理の効率化や日々のランニングコストの削減が実現できるでしょう。
まとめ
本記事では、フィルタープレス脱水機の仕組みやメリット・デメリットについて解説しました。フィルタープレス脱水機は固液分離特性が高いため、他の脱水機よりも脱水ケーキの含水率低下を実現できます。
年間200万円ほどのコストを削減できることは非常に大きなメリットです。しかし、ろ布の素材を使い分ける必要があったり、汚泥が液漏れすることがあるため注意しましょう。
メリット・デメリットをしっかりと理解した上で、導入先に合った製品を導入するようにしてください。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。