「汚泥の処理方法は?」
「汚泥にはどのような処理方法があるの?」
汚泥とは、事業活動をするうえで発生する泥状の物質の総称です。
中には重金属や有毒性を持つものもあり、産業廃棄物に分類されるため、家庭から出るゴミのように勝手に処分することができません。
産業廃棄物処理法に基づいていない処理をしてしまうと、汚泥を排出した企業側の責任も問われてしまうため、注意が必要です。
しかし、汚泥の正しい処理方法がわからない方も多いことでしょう。
そこで今回は、汚泥を処理する6つの方法を解説します。
汚泥を処理する前に行う、中間処理についても解説するため参考にしてください。
汚泥の種類
汚泥の処理方法は、汚泥の種類によってことなります。
そのため、まずは汚泥の種類として下記2つを解説します。
下水の汚泥を処理して欲しい場合、無機性汚泥の処理しかできない施設に連絡をしても処理することはできません。
以降の解説を参考に、処理したい汚泥の性質を確認してください。
有機性汚泥
有機性汚泥は、有機質で汚染された排水から出る汚泥となります。
有機汚泥の代表的なものは下記のとおりです。
- パルプ廃液から生ずる汚泥
- し尿を含まないビルピット汚泥
- 動植物性原料を使用する各種製造業の廃水処理後に生ずる汚泥
上記のように、主に下水処理や食品工場などから発生します。
無機性汚泥
無機性汚泥は、金属や石灰・石膏などの無機質によって汚染された排水から出る汚泥です。
無機性汚泥の代表的なものは下記になります。
- 赤泥
- けい藻土かす
- 炭酸カルシウムかす
- 酸化金属粉末
- 圧延油や潤滑油などの油を含む排水
特殊な加工をする工場や工事現場などから多く排出されます。
汚泥を処理する6つの方法
ここからは、汚泥を処理する下記6つの方法を解説します。
上記を参考に、汚泥の処理方法を検討してください。
焼却
焼却とは、脱水し乾燥させた汚泥を焼却炉で燃やす方法です。
使用している焼却装置は業者によって異なりますが、短時間で高温焼却するため、一度に大量の汚泥を処理できる特徴があります。
有機性汚泥の場合は多くの有機物が含まれているため、そのまま放置すると悪臭や害虫が発生してしまうでしょう。
そこで、焼却処理することで悪臭や害虫が発生しない状態で処分可能です。
焼却すると、燃え殻や灰など別の産業廃棄物が出ることもあるため、その再利用や処理方法も事前に確認しておきましょう。
埋め立て
無機性汚泥であれば脱水・乾燥させてから、埋め立てることが可能です。
また、焼却後に出た灰も、四塩化炭素や水銀など廃棄物処理法で定められている有害物質を含まない場合は、都道府県の認可を受けている埋め立て施設に埋められます。
しかし、汚泥の種類や性質によって持ち込むべき処分場が異なるため、埋立てする場合は注意しましょう。
また、近年は埋め立て場所の残余年数が減少しているため、リサイクル・減量化できる場合は別の処理方法を検討する必要があります。
溶融
溶融は、汚泥を加熱することで減容化や含有物の抽出、無害化を行う処理方法です。
また、焼却後に出た灰を1,200℃以上でもう一度焼却して溶かし、砂のようなスラグ状にする処理としても活用されます。
灰を高温で焼却することで灰に含まれるダイオキシンが分解され、環境に配慮した素材に変えることが可能です。
溶融処理で発生するスラグは、主に建設資材として活用されます。
加えて、スラグ状になると容積が二分の一となるため、埋め立てを選択する場合に場所を取らないところも特徴です。
セメント原料化
セメント原料化は、汚泥や焼却後に生じる灰をセメントの原料として再利用する方法です、
汚泥や焼却後に生じる灰の成分は、セメントの主原料である粘土成分と似ていることから、粘土の代替原料として有効活用できます。
セメント製造過程において、灰を直接投入するだけなのため、再利用しやすいところが特徴です。
汚泥も灰も全てがリサイクルに用いられるため、無駄がないエコな処理方法といえるでしょう。
堆肥化
堆肥化とは、脱水処理した有機性汚泥を人為的に発酵させて肥料にする方法です。
脱水処理した有機汚泥に微生物と適量の水を加え、微生物が活性化しやすい温度で一定時間保管すると、栄養価があり扱いやすい肥料となります。
肥料は植物や野菜の栽培に活用でき、汚泥を土に戻すことが可能です。
ただし、環境負荷が少ない一方で、処理に時間がかかったり、一定時間汚泥を貯めておく設備が必要になるなどデメリットもあるでしょう。
メタン発酵
メタン発酵とは、有機性汚泥を微生物に分解させてメタンガスを発生させる処理方法です。
酸素状態で微生物が活動しやすい温度を保ちながら一定期間管理することで、メタンガスを発生させます。
発生したメタンガスは、ボイラーやガス発電機の燃料として再利用することが可能です。
また、有機物を分解する過程で発生する液肥は、肥料としても活用できるため、環境に配慮した無駄がない処理方法といえるでしょう。
油水分離
油水分離は、油分と水分を分離させて処理する方法です。
鉱物潤滑油系汚泥に加熱や遠心分離を施すと、油分と水分に分離されます。
分離した油分は、再生重油としてリサイクル可能です。
汚泥の処理を依頼するなら中間処理も重要
汚泥の処理を依頼するなら中間処理も重要です。
ここまで解説してきた汚泥の処理方法は、事前に脱水などの中間処理をした後に施されます。
汚泥の脱水とは、水分を含む汚泥を脱水して流動性の低いペースト状にすることです。
水分を多く含む汚泥は仮保管のスペースを広く必要とするだけでなく、重量があるため運搬にかかるコストも肥大化してしまいます。
そのため、汚泥を脱水することで、体積と重量を小さくし、保管や運搬にかかるコストを削減するといいでしょう。
汚泥脱水機のおすすめメーカー
ここからは、汚泥脱水機のおすすめメーカーとして下記の3社を紹介します。
汚泥脱水機を選ぶ際の、参考にしてください。
アムコン株式会社
項目 | 詳細 |
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会社名 | アムコン株式会社 |
住所 | 神奈川県横浜市港北区新羽町1926 |
電話番号 | 045-540-8585 |
公式サイト | https://www.amcon.co.jp/ |
アムコン株式会社は、1974年に株式会社環境設備センターとして排水処理施設や団地の浄化槽メンテナンスを主な事業として創業した会社です。
現在では汚泥処理関連装置の開発製造販売事業、給排水設備メンテナンス事業、各種分析事業を展開しています。
アムコンが手掛ける汚泥脱水機『ヴァルート』は、日本全国の排水処理施設だけでなく、世界77の国と地域に納入されているほどの実績です。
また、世界15の国と地域に販売代理店を持ち、汚泥処理に関するお悩みをグローバルな知見で解決してくれるでしょう。
アムコン株式会社でなら、あなたに合った製品を提供してくれるでしょう。
積水アクアシステム株式会社
項目 | 詳細 |
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会社名 | 積水アクアシステム株式会社 |
住所 | 大阪市北区大淀中1丁目1番30号 |
電話番号 | 06-6440-2525 |
公式サイト | https://www.sekisuia.co.jp/ |
積水アクアシステム株式会社は1964年に設立され、約60年で培った知識と技術力により、きめ細かなサポートを実施している会社です。
工場排水や食品工場を中心に、微生物膜を利用した環境にやさしい排水処理を展開しています。
さらに、独自の微生物製剤を活用した油脂分解処理や高濃度汚泥の減容化などを通じて、排水処理設備の機能改善・能力増強をシステムで提案してくれるでしょう。
全国への導入実績も豊富なため、安心して依頼できます。
株式会社ヘリオス
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社ヘリオス |
住所 | 東京都品川区北品川3-6-9 |
電話番号 | 03-5715-1541 |
公式サイト | https://www.kk-helios.co.jp/ |
株式会社ヘリオスは、脱水機のパイオニアとして創業以来35年間もの長きにわたり、多重円盤型脱水機を販売してきた会社です。
ヘリオスの脱水機は、個液分離・ろ液についての深い考察が生んだ独自技術によって作られた、ユニークな機体となっています。
従来の脱水方法である真空式・加圧式・遠心式のいずれも当てはまらず、ろ布の類は一切使用しませんし、遠心分離のような大きなエネルギーも必要としません。
そのため、消耗品が少なく、コストパフォーマンスが高いです。
ヘリオスでは、脱水機のレンタルも行っているため、気になる方は問い合わせてみてください。
まとめ
今回は、汚泥を処理する下記6つの方法を解説しました。
- 焼却
- 埋め立て
- 溶融
- セメント原料化
- 堆肥化
- メタン発酵
- 油水分離
汚泥は、産業廃棄物に分類されるため、家庭から出るゴミのように勝手に処分することができません。
そのため、廃棄物処理法にて定められた適切な方法で処理しなければなりません。
仮に、産廃物処理法に基づいていない処理をしてしまうと、汚泥を排出した企業側の責任も問われてしまうため注意しましょう。
今回解説した内容を参考に、汚泥の処理を検討してください。