泥脱水機に適した凝集剤は?凝集剤の選び方からおすすめメーカー3選まで

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「脱水機の処理能力に満足いかない」

「処理コストがかさむ」

本記事では、汚泥脱水における重要な役割を担う『凝集剤』に焦点を当て、凝集剤の種類とそれぞれの特徴、最適な凝集剤の選び方を紹介します。

最適な凝集剤を選ぶことで、脱水効率を大幅に向上させ、処理コストの削減と処理能力の向上を実現できます。ぜひ、本記事を参考に、現状の課題を解決し、効率的な汚泥処理を実現しましょう。

目次

凝集剤とは

汚泥脱水において、凝集剤は『脱水効率の鍵』となる重要な役割を担っています。

凝集剤は、水中に分散している微細な汚泥粒子を凝結と凝集という作用を利用して、互いに結合させて、大きな塊(フロック)を形成します。フロックは重力によって沈殿しやすくなるため、ろ過や遠心分離などの処理工程で容易に除去できます。

つまり、凝集剤によって『処理能力の向上』と『コスト削減』を同時に実現ができると言うことです。

凝集剤の種類

凝集剤は大きくわけて2種類に分けることができます。

それぞれ凝集剤の特徴を解説しています。

無機凝集剤

無機凝集剤は、炭素を含まない無機化合物で構成される凝集剤です。凝集処理における『凝結』の役割を担い、水中の微細な汚泥粒子を互いに引き寄せ、小さな塊へと成長させます。

具体的には、無機凝集剤はプラス電荷を持ちマイナス電荷を帯びている汚泥粒子と静電引力で引き寄せられ複数の汚泥粒子が集まり、フロックと呼ばれる大きな塊を形成します。

代表的な無機凝集剤は以下です。

  • 硫酸アルミニウム
  • PAC
  • 塩化第二鉄
  • ポリ硫酸第二鉄
  • 硫酸第一鉄
  • 消石灰

無機凝集剤は、種類によってそれぞれ異なる特徴があります。最適な無機凝集剤を選び、処理効率を向上させましょう。

有機性高分子凝集剤

有機性高分子凝集剤は、高分子化合物で構成される凝集剤です。凝集処理における『凝集』の役割を担い、無機凝集剤で生成された小さな塊をさらに大きく成長させます。

具体的には、有機性高分子凝集剤は長い鎖状の分子構造を持ち、複数の汚泥粒子を架橋のように繋ぎ、大きなフロックと呼ばれる塊を形成します。

代表的な有機性高分子凝集剤は、以下です。

  • アニオン
  • カチオン
  • ノニオン

有機性高分子凝集剤にも、種類によってそれぞれ異なる特徴があります。最適な凝集剤を選び、処理効率を向上させましょう。

汚泥脱水機に最適な凝集剤の選び方

汚泥脱水機の効率を最大限に引き出すためには、適切な凝集剤の選択が不可欠です。最適な凝集剤を選ぶことで、脱水効率の向上、処理コストの削減、そして環境負荷の低減が可能となります。

選び方には主に以下の4つの観点があります。

これらの要素を総合的に考慮することで、現場に最適な凝集剤を選定することができます。

各要素の詳細については、以下の各項目で解説していきます。適切な凝集剤の選択は、汚泥処理プロセス全体の効率化につながる重要な要素です。

汚泥の性質で選ぶ

汚泥の性質は凝集剤の選択に大きな影響を与えます。主にpH値、固形物濃度、有機物含有量の3つの要素を考慮する必要があります。pHが酸性か塩基性かによって最適な凝集剤が異なり、固形物濃度が高い場合は強力な凝集力を持つ製品が求められます。

また、有機物含有量が高い汚泥には、有機物との親和性が高い凝集剤が効果的です。汚泥のサンプルを採取し、これらの性質を分析することで、最適な凝集剤を選定できます。

例えば、pH値が7.5以上の汚泥には、アニオン系高分子凝集剤が効果的とされています。固形物濃度が3%以上の高濃度汚泥には、高分子量の凝集剤が適しています。

有機物含有量が高い場合は、カチオン性の有機凝集剤が良好な結果を示すことが多いです。

脱水機の種類で選ぶ

脱水機の種類によって、最適な凝集剤の特性が異なります。主な脱水機には、ベルトプレス、遠心分離機、フィルタープレスがあり、それぞれに適した凝集剤の選択が重要です。

ベルトプレスでは、強固なフロックを形成する凝集剤が求められます。これにより、ベルト上での脱水効率が向上します。遠心分離機の場合、高速回転に耐えうる強いせん断力に対応できる凝集剤が必要です。フロックの再凝集能力が高い製品が適しています。

フィルタープレスでは、ケーキ剥離性を向上させる凝集剤が効果的です。これにより、処理サイクルの短縮とケーキの含水率低下が期待できます。脱水機の特性を理解し、それに合わせた凝集剤を選択することで、処理効率の大幅な向上が可能です。

環境要因と法規制で選ぶ

環境保護と法令遵守の観点から、凝集剤の選択は慎重に行う必要があります。まず、処理後の排水が環境基準を満たしているかを確認することが重要です。特に、重金属や有害物質の含有量に注意しましょう。

生分解性の高い凝集剤を選択することで、環境への負荷を最小限に抑えることができます。

また、使用する凝集剤が水質汚濁防止法などの関連法規に準拠していることを確認することも必要です。特に、食品工場や医療施設からの排水処理には、より厳格な基準が適用される場合があります。

環境に配慮した凝集剤の使用は、企業の社会的責任(CSR)の観点からも重要です。地域の環境規制や業界標準にも注意を払い、コンプライアンスを徹底することが求められます。

コスト効率で選ぶ

凝集剤の選択においてコスト効率は重要な要素です。単に凝集剤の単価だけでなく、使用量や処理効率を含めた総合的なコスト評価をしましょう。効果的な凝集剤を選ぶことで、使用量を抑えつつ高い処理効率を得られ、結果として長期的なコスト削減につながります。

また、脱水後の汚泥(ケーキ)の含水率低下は、廃棄物処理コストの削減に直結します。含水率が1%下がるだけでも、年間の処理コストに大きな影響を与えます。

さらに、凝集剤の保管や取り扱いに関するコストも考慮する必要があります。液体凝集剤と粉末凝集剤では、保管設備や溶解装置のコストが異なります。長期的な視点でのコスト分析を行い、総合的に最も効率の良い凝集剤を選択することが重要です。

凝集剤の効果を見極めるポイント

凝集剤の効果を正確に評価することは、最適な汚泥処理プロセスを確立する上で極めて重要です。効果的な凝集剤は、処理効率の向上、コスト削減、そして環境負荷の低減につながります。凝集剤の効果を見極めるポイントは、以下3つです。

これらのポイントを適切に評価することで、現場に最適な凝集剤を選定し、処理プロセス全体の最適化を図ることができます。ここからは、各ポイントについて詳しく解説していきます。

汚水がクリアになるスピードで判断する

凝集剤の効果を判断する第一のポイントは、汚水がクリアになるスピードです。効果的な凝集剤は、添加後短時間で汚濁物質を凝集し、水中から分離させます。この過程を観察することで、凝集剤の初期反応性と効果の強さを評価できます。

通常、凝集剤添加後1〜5分程度で顕著な変化が見られるはずです。クリア化のスピードが速いほど、後続の処理工程の効率も向上します。例えば、ジャーテストを行い、複数の凝集剤を同時に比較することで、最も効果的な製品を選定できます。

また、クリア化のスピードは、処理プラントの滞留時間設計にも影響を与えます。迅速なクリア化が可能な凝集剤を選ぶことで、処理設備のコンパクト化や処理能力の向上が期待できます。

形成されたフロックの質で評価する

フロックの質は、凝集剤の効果を評価する上で重要な指標です。理想的なフロックは、大きく、密度が高く、沈降性に優れています。フロックの大きさは、目視や顕微鏡観察で確認できます。一般的に、直径2〜5mm程度のフロックが扱いやすいとされています。

フロックの強度も重要な要素です。攪拌や圧力に対する耐性が高いフロックは、後続の脱水工程でも崩壊しにくく、高い脱水効率につながります。フロックの強度は、ビーカー内で攪拌棒を使って軽く撹拌し、その耐性を観察することで評価できます。

また、フロックの沈降速度も重要です。沈降が速いフロックは、固液分離が容易で、処理効率の向上に寄与します。これらの要素を総合的に評価し、最適な凝集剤を選定することが重要です。

脱水後の汚泥(ケーキ)の状態でチェックする

脱水後の汚泥(ケーキ)の状態は、凝集剤の最終的な効果を判断する重要な指標です。理想的なケーキは、含水率が低く、形状が安定しており、取り扱いが容易です。

含水率は、凝集剤の脱水性能を直接反映する指標になります。一般的に、含水率が70%以下であれば良好な結果とされますが、汚泥の種類や後続の処理方法によって、目標値は変わってきます。

また、ケーキの形状安定性も重要です。崩れにくく、適度な強度を持つケーキは、運搬や処分が容易です。ケーキからの水の再遊離(リリース)が少ないことも、良好な凝集効果の指標となります。

ケーキの状態を評価する際は、含水率の測定だけでなく、手で触れて感触を確認したり、一定時間放置して形状の変化を観察したりすることも有効です。これらの評価を通じて、最終的な処理効果と処理コストを最適化できる凝集剤を選定することが可能となります。

おすすめの汚泥脱水機メーカー3選

汚泥脱水機のおすすめメーカー3社を紹介します。

各社の特徴を紹介しますので、最適なメーカーを選ぶ参考にしてください。

アムコン株式会社

出典元:アムコン株式会社
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項目詳細
会社名アムコン株式会社
住所神奈川県横浜市港北区新羽町1926
電話番号045-540-8585
公式サイトhttps://www.amcon.co.jp/

アムコン株式会社は、1974年に創業し、排水処理施設や団地の浄化槽メンテナンス事業から始まりました。アムコン株式会社は、世界中に納入実績を持つ、汚泥脱水機メーカーです。長年にわたって培ってきた技術力と経験に基づき、お客様のニーズに最適なソリューションを提供しています。

高分子凝集剤『ハイブリッドV』シリーズをはじめ、高性能な製品を開発・販売しています。

アムコン株式会社について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

積水アクアシステム株式会社

出典元:積水アクアシステム
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項目詳細
会社名積水アクアシステム株式会社
住所大阪市北区大淀中1丁目1番30号
電話番号06-6440-2525
公式サイトhttps://www.sekisuia.co.jp/

1964年創業以来、水に関わる様々な製品・サービスを提供してきた積水アクアシステム株式会社は、水を中心とした生活基盤インフラをまるごとサポートしているのが特徴です。

積水アクアシステムは、環境にやさしい排水処理技術の開発に積極的に取り組んでいます。膜処理技術、生物処理技術、化学処理技術など、様々な技術を組み合わせることで、高度な排水処理を実現可能です。

積水アクアシステム株式会社について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

株式会社ヘリオス

出典元:株式会社ヘリオス
スクロールできます
項目詳細
会社名株式会社ヘリオス
住所東京都品川区北品川3-6-9
電話番号03-5715-1541
公式サイトhttps://www.kk-helios.co.jp/

創業以来35年間、多重円板型脱水機の販売に特化してきた株式会社ヘリオスは、脱水機のパイオニアとして高い評価を得ています。

ヘリオスが独自に開発した無機高分子凝集剤ヘリオスフロックは、優れた凝集性能と絮凝性能を持ち、汚泥中の微小な粒子を効率的に凝集させます。これにより、脱水時間を短縮し、脱水ケーキの含水率を低減できます。

株式会社ヘリオスについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

まとめ

 
汚泥脱水における重要な役割を担う『凝集剤』に焦点を当て、凝集剤の種類とそれぞれの特徴、最適な凝集剤の選び方を紹介しました。

最適な凝集剤を選ぶことで、脱水効率を大幅に向上させ、処理コストの削減と処理能力の向上を実現できます。

「脱水機の処理能力に満足いかない」「処理コストがかさむ」と感じている方は、今回紹介したメーカーに現状の困りごとを相談してみましょう。

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