汚泥脱水機は、汚泥の処理コスト削減ができる非常に便利な機械です。導入先の汚泥に最適な製品の選定ができれば、年間で100万円を超える汚泥処理コストの削減ができます。
日々の業務において避けられない汚泥処理コストの削減ができることは、企業にとって大きなメリットです。しかし、汚泥脱水機はあまり触れる機会が多くないこともあり、会社選びに悩んでいる方も少なくないでしょう。
- 汚泥脱水機メーカーの選び方を知りたい
- 汚泥脱水機を扱っている会社が知りたい
上記のような情報を求めている方も多いはず。
そこで本記事では、汚泥脱水機メーカーを選ぶ3つのポイントから汚泥脱水機メーカー13選を紹介します。会社選びに悩む方に役立つ内容となっているため、ぜひ参考にしてください。
汚泥脱水機とは?
汚泥脱水機は、産業廃棄物や下水処理過程で発生する汚泥から水分を除去し、固形分と液体分を分離する装置です。この処理により、汚泥の体積と重量を大幅に削減し、廃棄物の処理コストを低減させることができます。
また、脱水処理は環境負荷の軽減にも貢献します。汚泥脱水機は、機械的な力や化学的な処理を用いて効率的に水分を除去し、様々な産業分野で活用されています。
処理能力や用途に応じて異なる種類の脱水機が選択され、適切な脱水技術の選定が処理効率と経済性の向上につながります。
汚泥脱水機の種類
汚泥脱水機には様々な種類がありますが、主に以下の3種類が広く使用されています。
これらの脱水機は、それぞれ異なる原理や特徴を持ち、処理する汚泥の性質や要求される脱水性能に応じて選択されます。各種類の脱水機は、特定の産業や用途に適しており、処理量、設置スペース、運転コストなどの要因も考慮して選定されます。
ここからは、これらの脱水機の種類について詳しく解説していきます。各タイプの特徴や適用範囲を理解することで、最適な汚泥脱水機の選択に役立てることができます。
遠心脱水機
遠心脱水機は、高速回転による遠心力を利用して汚泥から水分を分離する装置です。円筒形のボウル内で汚泥を高速回転させることで、比重の差により固形分と液体分を効率的に分離します。
処理能力が高く、連続運転が可能なため、大量の汚泥処理に適しています。また、コンパクトな設計で省スペース化が図れるのも特徴です。
主に下水処理場や化学工場、食品工場などで使用され、含水率の高い汚泥の脱水に効果的です。運転コストは比較的高めですが、自動化が容易で人件費の削減にも貢献します。
ベルトプレス脱水機
ベルトプレス脱水機は、二枚の濾布ベルト間で汚泥を挟み、圧搾しながら脱水する装置です。汚泥を徐々に加圧することで、効率的に水分を除去します。
構造がシンプルで運転が容易なため、幅広い産業で利用されています。特に、繊維状の汚泥や有機性汚泥の処理に適しており、食品工場や製紙工場などで多く採用されています。
連続運転が可能で処理能力も高く、ランニングコストも比較的低いのが特徴です。また、開放型の構造のため、処理状況の確認や調整が容易に行えます。
フィルタープレス脱水機
フィルタープレス脱水機は、多数の濾過板を圧縮し、その間に汚泥を充填して高圧で脱水する装置です。バッチ式の運転で、高い脱水性能を発揮し、特に無機性汚泥の処理に適しています。
処理後の汚泥(脱水ケーキ)は含水率が低く、取り扱いが容易です。主に化学工場や鉱山、セラミック産業などで使用されています。運転サイクルは長めですが、得られる脱水ケーキの品質が高いのが特徴です。
また、濾過板の選択により様々な種類の汚泥に対応可能で、処理の柔軟性が高いことも利点の一つです。
汚泥脱水機メーカーを選ぶ5つのポイント
まず、汚泥脱水機メーカーを選ぶポイントを見ていきましょう。意識すべきポイントは以下の3つです。
それぞれ以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
導入実績
メーカー選びのポイント1つ目は『導入実績』です。一般的に、汚泥は有機性と無機性に大別され、ひとつとして同じものはないといえるほど多くの種類があります。
汚泥の種類や性状ごとに処理方法は異なり、最適な処理方法を導くために豊富な導入実績を誇るメーカーを選ぶことがおすすめです。また、豊富な導入実績に加えて、多様なタイプの脱水機を扱っているメーカーに依頼すると、より幅広い提案をうけられます。
機種モデル数
メーカー選びのポイント2つ目は『機種モデル数』です。
汚泥脱水機には『真空脱水機』『ベルトプレス脱水機』『スクリュープレス脱水機』など、数えるだけでも非常に豊富な種類があります。その中で機種モデル数が多いということは、多様な汚泥とお客様のニーズに幅広く対応してきたということです。
購入前に現在扱っている汚泥が依頼予定のメーカーの脱水機で脱水可能か、事前に必ず問い合わせることでメーカー選びのミスをなくしていきましょう。
アフターフォロー
3つ目の基準は、アフターフォローを見ることです。汚泥脱水機の導入後には、保守・点検・消耗部品の交換などが必要になります。
点検の有無や緊急な故障にも対応してくれるメーカーなのか、事前に確認しておくことが重要です。メーカーごとにアフターフォローの内容は異なるため、複数社を比較した上でどのメーカーに依頼するのか決めるようにしましょう。
処理能力
処理能力は汚泥脱水機選択の核心となる要素です。日々発生する汚泥量に適した能力を持つ機種を選ぶことが不可欠です。
処理能力が不足すると、汚泥の蓄積による環境問題や法令違反のリスクが生じます。一方、過剰な能力は初期投資とランニングコストの無駄を招きます。
現在の汚泥発生量だけでなく、将来的な事業拡大や規制強化も考慮に入れ、適切な処理能力を選択することが重要です。季節変動や突発的な増加にも対応できる余裕を持たせた選定が望ましいでしょう。
運転コスト
運転コストは長期的な観点から非常に重要な選択要素です。初期投資額が低くても、運転コストが高ければ総合的な経費は膨らみます。
主な運転コストには、電力消費量、薬品使用量、人件費、メンテナンス費用が含まれます。特に、日々の運転に直結する電力と薬品の使用効率が良い機種を選ぶことで、長期的な経費削減につながります。
また、自動化レベルの高い機種は人件費削減に貢献するでしょう。運転コストの慎重な評価は、企業の収益性向上と環境負荷低減の両立に直接影響を与えるため、重要な検討事項です。
汚泥脱水機メーカー13選
いよいよ、汚泥脱水機メーカー13選を紹介していきます。今回紹介するのは以下の13社です。
- アムコン株式会社
- 積水アクアシステム株式会社
- 株式会社ヘリオス
- 株式会社鶴見製作所
- 株式会社マキノ
- 株式会社石垣
- 水ingエンジニアリング株式会社
- ジャステック株式会社
- ヤマト産業株式会社
- 日本インカ株式会社
- 月島機械株式会社
- 株式会社栗田機械製作所
- 日立造船株式会社
それぞれの会社の特徴を以下で詳しく解説するため、会社選びに役立ててください。
アムコン株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | アムコン株式会社 |
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新羽町1926 |
設立年月日 | 1974年11月 |
公式サイト | https://www.amcon.co.jp/ |
1つ目のメーカーは、アムコン株式会社です。アムコン株式会社は約50年の歴史を持ち、汚泥脱水機を専門に扱っています。
汚泥サンプルテストによる脱水機・薬品の選定や現地での実機テスト、稼働後のメンテナンスなどのサービスを提供していることが特徴です。アフターフォローでは、全製品に2年の保証がついており、有料での定期点検サービスも用意しています。
世界で約5,000台の豊富な実績を誇るメーカーのため安心して依頼可能です。
積水アクアシステム株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 積水アクアシステム株式会社 |
所在地 | 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番30号 梅田スカイビルタワーウエスト21階 |
設立年月日 | 昭和39年3月 |
公式サイト | https://www.sekisuia.co.jp/ |
2つ目のメーカーは、積水アクアシステム株式会社です。積水アクアシステム株式会社は、約60年の歴史を持つ積水化学グループのエンジニアリング会社になります。
積水化学グループで唯一、メーカー機能とエンジニアリング機能の2つの機能を持っていることが特徴です。2つの機能を活用することで、できないをできるに変える質の高い技術力と納品後のきめ細やかなサポートを実現しています。
汚泥脱水機は、ベルトプレス式や一枚ろ布式の製品の導入実績が豊富にあります。他にもスクリュープレス式などの導入も可能ですが、積水アクアシステム株式会社の実績が多いのは、ベルトプレス式や一枚ろ布式の製品です。
ベルトプレス式や一枚ろ布式の導入を検討している方は、以下の公式サイトから詳細を確認して下さい。
株式会社ヘリオス
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社ヘリオス |
所在地 | 東京都品川区北品川3-6-9 Ubiz品川 |
設立年月日 | 1982年2月 |
公式サイト | https://www.kk-helios.co.jp/ |
3つ目のメーカーは、株式会社ヘリオスです。株式会社ヘリオスは約40年の歴史を持ち、汚泥脱水機だけでなく周辺機器、高分子凝集剤の販売を行っています。
依頼を受けた際には、脱水処理周辺の解析も行い、総合的なコスト削減を提案していることが特徴のひとつです。また、脱水テスト車による現地デモテストに対応しているため、実際に顧客の汚泥を脱水しているところを見学できます。
導入後に扱う汚泥に適していなかったというトラブルがないことは大きなメリットです。
株式会社鶴見製作所
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社 鶴見製作所 |
所在地 | 東京都台東区台東1-33-8 |
設立年月日 | 1924年1月 |
公式サイト | https://www.tsurumipump.co.jp/ |
4つ目のメーカーは、株式会社鶴見製作所です。株式会社鶴見製作所は約100年の圧倒的な歴史を誇っており、水中ポンプを主力とした環境装置の製造・販売をしています。
戦後の復興時にいち早く水中ポンプの技術を確立し、高い技術力を持っていると国内外から高く評価されているメーカーです。汚泥脱水機においては、デモや有料貸出サービスを用意しています。
国内だけでなく、海外にも多くの拠点を持ち、幅広く活躍をしているメーカーです。
株式会社マキノ
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社マキノ |
所在地 | 愛知県常滑市大曽町3丁目1番地 |
設立年月日 | 1932年創立 |
公式サイト | http://www.makino-co.co.jp/ |
5つ目のメーカーは、株式会社マキノです。株式会社マキノは約90年の歴史を持ち、粉砕・ろ過・乾燥のスペシャリストとして、さまざまな分野のモノづくりを支えています。
海外に協力関係を結んでいる企業が多く、ヨーロッパを中心とするパートナー企業の製品を導入できることが特徴のひとつです。汚泥脱水機に関しては、フィルタープレス式を採用しています。
中古品の取り扱いもしており、費用を抑えて汚泥脱水機を導入したい方におすすめです。
株式会社石垣
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社石垣 |
所在地 | 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング |
設立年月日 | 1958年4月 |
公式サイト | https://www.ishigaki.co.jp/ |
6つ目のメーカーは、株式会社石垣です。株式会社石垣は約60年の歴史を持ち、ろ過機や脱水機・ポンプ等の製造・販売を行っています。
固液分離のスペシャリストとして知られ、他社では困難な固液分離を可能にする技術力を持っていることが特徴です。汚泥脱水機はフィルタープレスやスクリュープレス・ベルトプレス・遠心脱水機・真空脱水機など、豊富な種類を用意しています。
また、脱水性の向上を図るシステムも用意しているため、興味のある方は問い合わせてみましょう。
水ingエンジニアリング株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 水ingエンジニアリング株式会社 |
所在地 | 東京都港区東新橋1-9-2 汐留住友ビル27階 |
設立年月日 | 2018年11月 |
公式サイト | https://www.sec.swing-w.com/ |
7つ目のメーカーは、水ingエンジニアリング株式会社です。水ingエンジニアリング株式会社は、水ing株式会社の100%子会社になります。
水ing株式会社の長い歴史で培った技術によって、水と環境に係る様々な分野で最適なソリューションを提供していることが特徴です。汚泥脱水機は、軸摺動式スクリュープレス脱水機 スライドシャフトスクリュー®️やベルトプレス脱水機を用意しています。
日本下水道事業団から優良施工業者に認定されているメーカーのため、安心して依頼可能です。
ジャステック株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | ジャステック株式会社 |
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新横浜2-6-3 DSM新横浜ビル2F |
設立年月日 | 2001年10月 |
公式サイト | https://justec.co.jp/ |
8つ目のメーカーは、ジャステック株式会社です。ジャステック株式会社は約20年の歴史を持ち、汚泥脱水機や濃縮機を中心に取り扱っています。
『SPATONテクノロジー』という特許技術を利用した汚泥脱水機を製造していることが特徴です。畜産業界に強いつながりを持っており、全国800箇所に製品を導入し、養豚業者の約10%のシェアを獲得しています。
また、産業廃水業界にも400箇所以上の実績を誇るため安心して依頼可能です。
ヤマト産業株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | ヤマト産業株式会社 |
所在地 | 愛知県名古屋市熱田区西野町2丁目54番地 |
設立年月日 | 昭和49年2月 |
公式サイト | https://www.e-ctk.jp/about-us/yamato/product |
9つ目のメーカーは、ヤマト産業株式会社です。ヤマト産業株式会社は約50年の歴史を持ち、環境機器、特に汚泥脱水機を主力としています。
現在までに約700台の納入実績を誇り、スクリュープレス脱水機のトップメーカーとして国内外に広く認知されている会社です。ヤマト産業の扱う汚泥脱水機は構造がシンプルかつ頑丈であり、故障が少ないという特徴があります。
維持管理も他の方式の脱水機と比べて簡単で低コストのため、日々のランニングコストの削減が可能です。
日本インカ株式会社
項目 | 詳細 |
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会社名 | 日本インカ株式会社 |
所在地 | 東京都品川区西五反田2-18-2 |
設立年月日 | 1919年創立 |
公式サイト | https://nihon-inka.net/ |
10社目のメーカーは、日本インカ株式会社です。日本インカ株式会社は1919年に創業し、1935年から水処理分野に進出して水処理装置・機器の設計や製造を行っています。
『技術のインカ』や『提案のインカ』と呼ばれるほど、高い技術力と提案力を持っていることが特徴です。汚泥脱水機においては、省エネ・低コスト・省スペースの製品を多く扱っており、経済的な製品を導入できます。
月島機械株式会社
項目 | 詳細 |
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会社名 | 月島機械株式会社 |
所在地 | 東京都中央区晴海3丁目5番1号 |
設立年月日 | 1985年4月 |
公式サイト | https://www.tsms-g.co.jp/ |
11社目のメーカーは、月島機械株式会社です。月島機械株式会社は約120年の歴史を持つ月島ホールディングスグループの100%子会社であり、産業機械の販売をしています。
フィルタープレス式やスクリュープレス式、真空式などのさまざまなタイプの脱水機を扱っていることが特徴です。また、日本だけでなく海外での実績も豊富であり、月島ホールディングス全体で世界40ヶ所で納入実績があります。長い歴史で培った技術力とノウハウで顧客の要望に最大限応えることが可能です。
株式会社栗田機械製作所
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社 栗田機械製作所 |
所在地 | 大阪府大阪市西区境川2丁目1番44号 |
設立年月日 | 1930年創業 |
公式サイト | https://www.kurifil.co.jp/ |
12社目のメーカーは、株式会社栗田機械製作所です。株式会社栗田機械製作所は約90年の歴史を持ち、日本で唯一のフィルタープレスの専業メーカーとして知られています。
世界に先駆け、全自動フィルタープレスの開発に着手するなど、高い技術力を持っていることが特徴のひとつです。株式会社栗田機械製作所では社内にラボがあり、研究開発から製作、メンテナンスまでワンストップで提供できます。3,500以上の納入実績から裏付けられる確かな技術力があるため、安心して依頼可能です。
日立造船株式会社
項目 | 詳細 |
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会社名 | 日立造船株式会社 |
所在地 | 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 |
設立年月日 | 1881年創業 |
公式サイト | https://www.hitachizosen.co.jp/ |
13社目のメーカーは、日立造船株式会社です。日立造船株式会社は約140年の圧倒的な歴史を誇り、北アイルランド出身の実業家E.H.ハンターによって創業されました。
ごみ焼却発電施設や上下水・汚泥再生処理プラント、船用エンジンなどの幅広い事業を展開していることが特徴です。長年にわたる経験と実績をもとに、前処理から高度処理までの各種装置を豊富に取り揃えています。現在までに培ってきた膨大な実績から、顧客の多様なニーズに応えることが可能です。
まとめ
本記事では、汚泥脱水機メーカーを選ぶ3つのポイントから汚泥脱水機メーカー13選を紹介しました。今回紹介した13社は、多くの実績と高い技術力を持つ信頼できる会社です。
汚泥脱水機はメーカー選びがうまくいけば、大幅なコスト削減を実現できます。そのため、複数の会社を比較した上で、あなたの扱う汚泥に最適な脱水機を提案してくれるメーカーを探してみましょう。
今回紹介したメーカーの中で気になる会社があれば、気軽に問い合わせてみてください。本記事があなたに助力できれば幸いです。